消費者を保護する為の法律

市場の発展に伴って、利用者保護の観点から多くの法制度の整備がされてきました。例えば債務の弁済が困難になった人に法的に債務整理が可能な「破産法」の他にも近年は「特定調停法」や「改正民事再生法」といったルールが施行されています。この項ではこれらの利用者保護に適用される法律を考えて見ましょう。

1.破産法

初めて施行されたのは1922年4月です。社会や経済環境の変化に伴い、幾度となく改正を繰り返してきました。元々は企業の破産を対象としていたのですが、個人の破産手続きのルールが整備されていなかった為、個人でも手続きをする事が増えていきました。平成になると自己破産を申請する人がどんどん増えて個人による利用が拡大していきました。この社会変化の状況をみてより手続きの迅速化や合理化を図らなければいけなくなり、法改正の動きが出始めました。そして2004年5月25日に「改正破産法」が国会で可決されて、2005年1月1日に施行されています。改正ポイントは以下になります。

@破産手続きと免責手続きの一体化:改正前の法律では宣告を受けてから免責が確定するまで一定の期間があったので、その間に債権者は債務者に対して弁済を要求する事ができたのですが、改正法では宣告=即免責となり、弁済を要求される事は無くなりました。

A再度の免責の期間の短縮:免責を受けた後は10年間は再び免責を受けられなかったのですが、これを7年に短縮されました。

B自由財産の範囲の拡張:今までは破産者になった場合は手元には66万円までしか残す事ができたのですが、今回の改正で99万円まで増額されました。

C非免責財産の拡張:子供の養育費や不法行為による損害賠償等は、破産者であっても免責されなくなりました。

2.個人債務者民事再生法手続

2001年に施行された法律で、増加傾向にあった自己破産数に歯止めをかけるためにできた法律といえます。支払いが困難だけどマイホームを手放したくない場合は検討の余地があると思います。ただし、借金の総額が5000万円を超えない事と、将来にわたって継続的な収入が見込める人であることが条件で申請できます。この法律を分かりやすく説明すると、「債権の一部を返済計画の元に弁済できれば、残りの借金は支払わなくて良い」という法律です。債権の一部とはいくらなのか?それは債権総額によって4段階に分かれています。

@総額が500万円以下の場合:100万円に減額できます

A500万超〜1500万円以下の場合:総額の5分の1に減額できます

B1500万超〜3000万円以下の場合:300万円に減額できます

C3000万超〜5000万円以下の場合:総額の10分の1まで減額できます

上記の様に借金額を減額できます。ただし、住宅ローン分の債権は減額されませんし、破産申請よりも手続きが複雑でややハードルが高いといえます。一部の債権者の賛成も必要になってきます。申請者数は2004年時点で約2万6千人で「自己破産申請者数」の約21万1千人と比較すると、まだまだ破産申請を行う債権者が多いのが現状です。(図表12)


※年度別の統計は「多重債務と自己破産」をご覧下さい

3.特定債務等の調整の促進のための特定調停に関する法律 (特定調停法)

2000年に施行されたこの特定調停法は、専門的な知識がある調停委員が債権者と債務者両者の間に立って、債権内容の変更等の双方の利害関係を調整し、両者の不利益にならないように妥協点を見いだします。民事再生法手続きに比べて費用が安いです。債権者と債務者の関係が悪化していない状態であればこの特定調停法をお勧めします。

司法書士も訴訟手続きができるようになりました

2003年に司法書士法の改正法が施行されて、請求額が140万円を超えない範囲の民事訴訟や、民事調停等の手続きを司法書士が代理する事ができるようになりました。
ただし、司法書士全員が代理業務の権利があるわけではなく、特定の研修を修了していて、法務大臣の認定を受けている司法書士に限定されます。 司法書士約1万8千人のうち、約1万人の司法書士の方が代理業務ができるようです。(2006年9月時点)
消費者金融関連の訴訟自体は比較的小額の場合が多いので、今後は弁護士だけではなく、司法書士の先生にも相談してみてはいかかでしょうか? (司法書士総合相談センター)